昭和の歌手だって、まだまだ頑張ってるんだぞ~!

今も頑張っている昭和の歌手たちを色々と紹介するページです!

青い炎/工藤静香(2021.3.10発売)

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①世情
②アザミ嬢のララバイ
③旅人のうた
④糸
⑤時代
⑥誕生
⑦ホームにて
⑧あした
⑨化粧
⑪ファイト!
⑬眠らないで
 
前作の洋楽カバーアルバム「Deep Breath」以来、約1年半ぶりのリリーズ。
 
中島みゆきのカバーアルバムとしては、2008年リリースの「MY PRECIOUS」以来約13年ぶり。
 
前回のアルバムが、中島みゆきの中期の曲がメインだとすれば、今回は前回の曲を除いて初期から最近までの人気曲を広く集めたイメージかな?
 
正直な感想を書くと、最初聴いた時はなんか違和感あり。
 
やっぱり原曲の完成度が凄すぎて、とても太刀打ちできないイメージ。
 
商品レビューやコメントを見ると、やはりそういうコメントもちらほら。
 
しかし、リリースに向けたメディア出演時のインタビューで、工藤静香本人に中島みゆきを超えたり追いつこうなんて気は毛頭なく、ただ大好きなアーティストの曲を歌ったというだけと聴いてから聴き方が変わりました。
 
そもそも、中島みゆき工藤静香に送った提供曲は、工藤静香に歌いやすいように作られているいるのであって(更に、ほとんどは作詞のみで曲はほとんど後藤次利)、中島みゆき本人の曲を工藤静香が歌っても違和感があるのは当たり前。その辺を加味して聴かないと、このアルバムはそもそも成立しないという結論に到達。
 
そう思って聴くと、とても楽しいアルバムになりました。
 
そもそも、中島みゆきの曲を歌える歌手なんて限られている訳で、現在一番近いのは満場一致で工藤静香でしょう。
 
個人的には、前半儚げに歌い、後半少しペースアップするスロー系の歌が合っている感じがします。「ホームにて」「化粧」「ヘッドライト・テールライト」辺り。
 
逆に激しい情念や、ビブラートをガンガンかける様な曲は、中島みゆきの凄みには叶わなくて、ちょっと分が悪い気がします。
 
あと、「世情」のラストがワルツ風のアレンジになっているのがちょっと驚きと「なるほど」って思いました。
 
ただ、このアルバムを聴くと、中島みゆきの原曲が聴きたくなるという、中島みゆきには「黙ってても自分の曲を宣伝してくれる美味しいアルバム」になっている気がするのは自分だけでしょうか(笑)
 
そういう意味でも、ぜひ聴き比べをしてみてはいかがでしょうか?
 
工藤静香自体は、変わらない美貌と歌声をキープしていますよ!

「水響曲/ 斉藤由貴」(2021.2.21発売)

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【初回限定盤】

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【通常盤】
30周年記念に発売された前作「ETERNITY」から約6年ぶりとなるアルバムが2/21に発売となりました
 最近はオリコンの集計に合わせて(水曜~火曜の集計)、水曜日の発売がほとんどなのですが、今回はデビュー曲「卒業」の発売日に合わせた2/21(日)の発売。やる~
 今回のアルバムは、35周年(正確には36年目に突入だそうですが)記念アルバムで、全曲セルフカバーのアルバムです。
 収録曲は、1st「卒業」~9th「さよなら」(12インチシングルを除く)までのシングルに、1stアルバム収録でカセットテープのCMにも使われた「AXIA~かなしいことり~」の全10曲と、限りなくシングルベストな内容。これに「夢の中へ」辺りが入っていれば完璧なんですけどね
  [初回限定盤]と[通常盤]の違いは、セルフカバーの原曲が全曲入ったCDが付くか付かないかの違いです。今回の選曲自体がかなりシングルベストに近い内容なので、聴き比べたりベスト盤にもなり一石二鳥なアルバムとなっています。自分は全ての音源を持っているので通常盤を選択。
 個人的には、通常盤のジャケが好みです。皆さんはどちらが好みですか?
 今回の発売は、長年在籍していたポニーキャニオンもなく、前回発売したヤマハでもなく(ヤマハポニーキャニオン系列でしょうが)、なぜかビクターからの発売。
 活動が数年おきのベテラン歌手の場合、ワンショット契約というのも多いみたいですから、今回ビクターからオファーが来て受けたのかも知れませんね。
 でも、オリジナル音源はポニーキャニオンからでしょうから、やっぱり不思議(笑)
 さて、アルバムの中身と言えば...
 まずは、アレンジャーの武部ワールドが炸裂のアルバムです。武部聡志さんお得意の美しくて幻想的なサウンドが満載です!
 前作が気に入った方には超おすすめです
 1回聞いた分には、ちょっと一本調子なイメージもありましたが、何回か聞くうちにスルメイカの様なアルバムで、クラシカル、ジャジー、DO UP調ありのなかなかバラエティな内容です。
 あとは、斉藤由貴の声の魅力満載です。 あえて彼女の声や息遣いが物凄くヴィヴィッドに伝わって来る録音方式が取られているのだと思います。
 正直歌唱力は?で、更にか細くてひねり出している様な声なのに(失礼!)、これほど魅力的に聴こえるのは何故なのでしょうね?
 やはり長年女優として蓄積してきた表現力でしょうかね?歌だけで表現するというのは中々大変なことだと思うのですが、それができる数少ない人なのかも知れませんね
 曲に目をやると、やはり1曲目の「卒業」は別格ですね!
 オリジナル音源が現在進行形の卒業をイメージするとすれば、今回収録された「卒業」は昔の自分を思い出しながらの卒業といった感じで、同じ歌詞とメロディなのに、声とアレンジだけで完全に別なイメージを聴き手に与えることができているところが凄いです
 この1曲だけでも、聴く価値大ありです
 因みに、早期予約者特典として、35周年ライブの中から3曲をピックアップしたCDが付いてきました。
 収録曲は
1.なぜ
2.予感
3.夢の中へ
 という、今回のアルバムとは被らない見事な内容
 ライブは多少素の斉藤由貴が出るというか、歌い方が曲によってムラがあるというか(笑)
 そこが、また彼女の魅力でもあるんでしょうね
 夢の中へというカバー曲をライブで聴くと特に思うのですが、彼女のオリジナル曲は、彼女の声質やイメージのために、かなり計算されて作られているという事を思い知らされます
 当時のスタッフは物凄く力を入れて作っていたんだと思います
 この透明さと美しさ、個人的には原田知世と双璧かな?